女性ホルモン

薄毛治療のために女性ホルモン補充療法をするのはあり?【HRT】

女性の抜け毛や薄毛、そのおもな原因は女性ホルモンであるエストロゲンの減少だと言われています。

女性ホルモンが急激に減少したときに起こる症状として更年期障害がありますが、それを緩和する方法としてホルモン補充療法が効果をあげているようです。

今回は女性ホルモンを補う方法として代表的な、ホルモン補充療法(HRT)について調べてみました。

減少する女性ホルモンを補うためのホルモン補充療法

女性ホルモンの減少は、抜け毛や薄毛だけでなく、頭痛やめまい、のぼせや火照り、動悸などさまざまな症状が発生します。

中には集中力の低下や落ち込み、不安など、うつに繋がる症状もあげられます。
ホルモン補充療法とは、この減少している女性ホルモンを補充することで更年期障害を症状を改善するものです。

効果の表れかた、また効果を実感できるまでの期間は人それぞれによって違いますが、ホルモン補充療法を始めて1週間で、更年期障害の7割が改善したという報告が出ています。

足りなくなったホルモンを補充することで、快適な生活を取り戻すだけでなく、健康管理にも役立っています。

ホルモン補充療法ってどんな風にするの?

ホルモン補充療法は、女性ホルモンであるエストロゲンや黄体ホルモンを補充するものです。

おもにこのような症状の方たちがホルモン補充療法を行っています。

● 更年期障害がひどい人
● 性交痛や膣炎の改善が必要な人
● 骨量を維持することで、骨粗しょう症の対策

副作用や持病を持っている人、または今までかかった病気によっては悪い影響を与えることがあります。

そのため、女性ホルモン補充療法は、

現在の症状
閉経しているかどうか
ほかに持病があるか
今までの病歴

などを考慮して、医師の診断に基づいて行います。

ホルモン補充療法の種類

ホルモン補充療法にはいくつかの種類があります。

飲み薬タイプ

腸から吸収され肝臓を通してその効果を発揮、毎日服用します。
服用するだけですが、肝臓や胃に負担をかける事があります。

貼り薬

下腹部などに貼り、皮膚を通して血液の中に成分が吸収されます。
そのため胃腸や肝臓に負担をかけることはありません。

症状に合わせて1週間に2回貼り替えるタイプと、2日に1度貼り替えるタイプがあります。

塗り薬

貼り薬と同じように皮膚から吸収し、血管に成分が吸収されます。
毎日塗り薬を塗る必要があります。

ホルモン補充療法にはエストロゲン、黄体ホルモンのみの成分、その両方が含まれているものと3種類あります。

ホルモン補充療法はどこでできる?

ホルモン補充療法は更年期障害を扱っているクリニックなどで受けることができます。

また更年期障害を専門に扱っていないクリニックでも、産婦人科や婦人科などで受けることが可能です。

更年期障害や女性ホルモンに関わる問題は、大変デリケートなものです。
更年期障害を専門に扱っているクリニックには、カウンセリングなどのケアも充実しています。

更年期障害は無気力、不眠などメンタル面への影響もあります。
しかし更年期障害は誰でも通る道です。
人によって非常に軽い人もいれば、精神的に影響を与えるほどひどくなる人もいます。

また年齢的にもホルモンだけでなく体力も落ちる時期です。

ホルモン補充療法の注意点

ホルモン補充療法は、女性ホルモンを体内に補充するので、体内のホルモンのバランスを上手に保ちながら行う必要があります。

ここでは療法を始める前に受ける検査や、治療後に起きるかもしれない副作用などについて説明します。

ホルモン補充療法を始める前に行う検査

ホルモン補充療法を受ける前に様々な検査を行います。

● 医師による問診
● 血圧、身長、体重と言った身体測定
● 血液検査によるコレステロール、ホルモン、中性脂肪や貧血また肝機能などなどの検査
● 子宮頸がん、子宮体がん、乳がんなど婦人科系疾患の検査

また医師による問診では、今までの以下のような症状、また病歴がある場合には忘れずに告げるようにします。

● 血栓性の疾患など血液の循環に関する疾患
● 異常な性器出血がある
● 心筋梗塞や脳卒中などを経験したことがある
● ポルフィリン症で発作が起きたことがある
● 妊娠している、可能性がある、または妊娠を期待している
● 高血圧のくすりなど飲んでいる薬やサプリメント

事前に伝えることで、治療が始まったあとの副作用や、起こりうるトラブルを回避することができます。

また改善したいと思う症状によっては更なる検査が必要になります。

ホルモンは肝臓で代謝されます。
そのため肝臓に与える影響は高く、以下のような方はホルモン補充療法を受けられない可能性があります。

● 肝機能の悪化、
● 乳がんや心筋梗塞、脳卒中また静脈血栓の病歴を持っている人
● 肥満がひどい人
● コントロールができない糖尿病、高血圧を持っている人
● 閉経後10年以上経っている人

足りなくなった女性ホルモンを補うホルモン補充療法は、医師の指導に基づき正しい使い方を行えば更年期障害に高い効果を上げることができます。

ホルモン補充療法による副作用

ホルモン補充療法で起こりうる副作用の症状には、以下のようなものがあります。

● 下腹部、腹部が張れる
● 全体がむくむ
● 乳房が痛んだり、むくむ
● それまで無かった出血などがある

これらの症状は初期に起こりやすいもので、そんなに心配することはありません。
徐々に慣れていきます。
いつまでも続く場合は医師に相談しましょう。

治療を続けていると以下のようなリスク、可能性が出てきます。

● 血栓症など血管障害が出ることがある
● 脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まることがある

ホルモンを補充するわけですから、乳がんなど婦人系疾患に掛かるリスクが高まるのでは?と心配になります。

エストロゲンと黄体ホルモンの両方が使われているものを5年間以上使用すると、乳がんになるリスクがわずかに上がるという報告があります。

しかしエストロゲンだけの使用であれば、乳がんの増加は見られないようです。

薄毛治療のためのホルモン補充療法はありか

抜け毛や薄毛の原因が女性ホルモンの減少によるものであれば、ホルモン補充療法は効果を発揮することもあるようです。

しかし長期のホルモン補充療法はリスクが高く、
更年期前に薄毛治療のため➕更年期障害のためと継続してホルモン補充療法を行うのはちょっと怖いなと感じました。

本当に更年期障害がつらくなった時には検討すると思うので、それまでは薄毛治療のためのホルモン補充療法は控えたほうが良いのではと思います。

ホルモン補充療法を始めるのであれば、医師の指導のもと、相談しながら進めていくべきですね。

治療を始めたあとも、定期的に医師のもとに通い経過を観察することが大切です。

まとめ


女性ホルモンを補う方法として、ホルモン補充療法について調べてみました。

いつか来る更年期障害のときにお世話になるかもしれません。

ただ日常的に婦人科などに行くことがない方は、自分の女性ホルモン値を知るために一度行ってみても良いのではと思いました。