薄毛に悩んでいろいろリサーチしていると、薄毛治療の薬として「フィナステリド」(商品名「プロペシア」)の名前を目にします。
Yahoo!知恵袋でも、薄毛に悩んでいる女性に「フィナステリド」を進めている回答を見かけました。
しかしこの薬、女性は使ってはいけないんです!
今回は「フィナステリド」がどのような薬なのかご紹介します。
フィナステリドとは
フィナステリドは、アメリカのメルク社が研究、開発した薬です。
もともとは前立腺肥大の薬として開発されました。
その後、低用量の使用で薄毛に効果があることがわかり、1997年に1mg/日の用量で男性型脱毛症の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に承認され使用が開始されます。
現在は60ヵ国以上で承認されている、男性型脱毛症の薬です。
日本では2005年に厚生労働省にAGAの薬と認可されました。
脱毛の進行を遅らせるだけでなく、髪が増えたり髪質(長さ、太さなど)が改善したりといった効果があることも分かっています。
国内の臨床試験では半年で約50%、2年で約70%、3年で約80%の男性の髪が増えたそうです。
フィナステリドが男性型脱毛に効く理由
男性型脱毛症(AGA)の原因は男性ホルモン、テストステロンの影響と言われています。
テストステロンが毛根内の毛乳頭細胞に入ると、細胞内の酵素の影響で「DHT(ジヒドロテストステロン)」という、より強力な男性ホルモンに変化し、その影響で髪の毛の成長が阻害され脱毛が増えてしまうのです。
「フィナステリド」は男性ホルモン(テストステロン)がより強力な男性ホルモンのジヒドロテストステロン (DHT)に転換されるのを抑制する薬です。
正確には、細胞内の酵素の働きを抑えて男性ホルモンの転換を防ぐそうです。
つまり男性の薄毛は、原因がはっきりしているため、その原因を潰せば解決できるのですね。
女性は使ってはいけない
男性型脱毛症に大きな効果があるフィナステリドですが、女性が使うことは禁止されています。
理由は男子胎児の生殖器官等の発育に影響を及ぼすおそれがあるためです。
Q.プロペシアを飲んではいけない人は?
A.プロペシアは男性だけの男性型脱毛の治療用です。女性が服用してはいけません(プロペシアと妊娠に関する警告を参照)。
引用:厚生労働省
本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用) により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
授乳中の女性には投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかは不明である。
フィナステリドの錠剤が粉砕、破損した場合は扱わないこと、という注意書きもありました。
手で触れただけでもいけないんですね。
しかし錠剤は「コーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。」とのことです。
ちなみに20歳未満での安全性と有効性は臨床試験で確認されていないので、未成年の方も服用することはできません。
フィナステリドを女性が使っても意味ない
また、海外で実施された男性型脱毛症の女性に対する12か月間の臨床試験で、フィナステリドは効果がないことが確認されています。
男性と女性では、細胞内の酵素の質や量が違ったり、薄毛のメカニズムが違ったりするためだと考えられます。
残念ですが、女性の薄毛は原因が複雑でまだまだ解明されていないことも多いので、今後の研究に期待したいところです。
フィナステリドよりさらに高い効果があるとされる「デュタステリド」の開発や研究が進んでいますし、今後新しい薬が生まれるかもしれません。
とにかく、現時点で効果がないのだったらフィナステリドを飲む意味はありませんね。
まとめ
フィナステリドは90%の男性患者の男性型脱毛症(AGA)の進行を遅らせた、高い効果の期待できる薄毛治療薬です。
しかし、女性への効果は確認されていません。
妊娠中の女性や授乳中の女性は、赤ちゃん(男児)の発達に影響がでるので決して服用したり、錠剤をさわったりしないこと!
女性でも安全なのは、副作用がなく、サプリに近いパントガールです。